まるで鏡を見ているように



「―――それにしても……」


 テーブルについて、男の子が口を開いた。


「落ち着きませんね」
「……ですね」


 話しかけては来なくなったものの、伺いみる視線は一向に消えない。
 むしろ注目されている二人が一緒にいることで、その数が増えた気がする。


「抜け出しちゃいましょうか?」
「賛成、です♪」


 悪戯な笑顔を受けて、それに応えた。