by 柳瀬 隆司

その数分後、俺は、みやこの腕に抱かれていた。肩には、彼女のカーデガンがかけられている。

彼女の胸はでかい。メリハリボディってやつ。
俺自身、彼女の服選ぶときには、それをかっこよく見せることを意識してきた。
普通の男からしたら、こんなエロい体の胸に抱かれるなんて、エロでしかないかもしれない。

「これ、合意なの?そうじゃないの??」

みやこの声が響いた。いっつも、めちゃめちゃ良い声だと思ってた。
こいつの腕の中は、暖かい。こんなにエロい体なのに、胸押し付けられても、優しい温もりしか感じない。きよしに触られたり、抱き締められたりする時みたいなぞくぞくした感じはない。
涙が出てきた。男らしくとか、女らしくとか、そういうのがどうしょうもなく重かった。。

「合意なのかって聞いてんのよ。二人とも。」

「俺とリュウジの問題だと思ってるけど?何なのお前は?リュウジ、こいつ、女?お前、こいつにもやられたの??」
「頭悪いんじゃないの?嫌がられてんの、見たら分かるんじゃん。」
「みやこ、、」
俺は、彼女の腰を両手で抱き返した。まっすぐ彼女を見上げる。
「俺が悪いんだ。ちゃんと、断れなかったから。」
俺は、立ち上がった。
ぐちゃぐちゃな顔だったかもしれない。でも、

みやこは、栞ちゃんとは違う。
この手の男にさらしちゃダメだ。

俺は、きよしとみやこの間に立った。
「みやこは、、めちゃめちゃいい女で、簡単な女じゃないよ。だから、俺は、もう、お前とどうこうしたくない。」
きよしは、面白くない顔をしたが、やっぱり、しつこくはしなかった。
「あっそ。。」
奴はくるりと後ろを向いた。
「俺さ、本気だったから。お前のこと。」と、奴は言った。