「はあっ!疲れたあ~」
「お疲れ様。なんか音楽かけるか?」
「うん。リラックスできるやつお願い!」
「はいよ。」
心地いいリズムと音が柔らかく流れる
ふかふかのソファーに身を預けて天井を見つめる
「…ねえ、ソル?」
「ん?」
「ソルはさ、好きな人いる?」
「はあ?」
「ほら…アネーサちゃんとか…」
「アネーサは菜月の世界でいう同期みたいなもんだよ」
「ん~、恋しないの?」
「俺、恋をするような分際じゃないと思う」
「え、どういうこと?」
「コンシェルジュは、利用者の支えになるのであって
人間みたいに恋愛を楽しむなんてこと
していいのかなって俺は思う。」
「気にしなくていいと思うよ。
ソルが誰かを好きになったなら頑張るべきだよ。
コンシェルジュだからとか、そんなの関係ないよ」
コンシェルジュも感情をもつ
それを制限するなんてあまりにも苦痛すぎる
私はソルに我慢なんてしてほしくない
「でもほら、菜月泣きそうじゃん」
「え?」
「なんでそんな顔しかめてんの」
「なんでだろう…」
「まあ俺はこのままでいい。
菜月といるのが1番心地良いから」
胸がギュッてした
体温が上がった
「…私も」
それとは逆に不安がよぎった
もしかしたら、
やっかいな感情をもってしまったかもしれない
この気持ちは絶対知ってはいけない気がした