すると指された方を向く前に、 「早く」 いわゆるイケボ部類に入るであろう低音ボイスが背後から聞こえた。 何度も聞いてる声なはずなのに、慣れないものでドキっとしてしまうのは秘密。 …いや、もうすでに知られている可能性が95%くらい。 親友に別れを告げる暇もなく ダッシュで彼のいる机に向かう。 「あ、葵くん…なに?」