オセロ

パパは毎日、私の髪を結び、ご飯を作り、お風呂を沸かし、洗濯をした。


パパはママになってくれた。

そんなある日、学校帰りに近所のスーパーに寄った。
主婦に紛れて、クタクタの作業着姿のパパが夕飯の買い物をしていた。

涙があふれだした。 パパに見つからないように店を出た。
泣いて、泣いて、泣いて……………


パパはママの代わりを必死でしてくれていた。
疲れた身体で、わたしのために…。


ねぇパパ…
悲しかったよ、ママが居なくなって…。
たくさん泣いたよ。 声が枯れるほど叫んで泣いた。
だけどね、苦労なんてひとつも無かったよ。
それは全部、パパが抱えていてくれたから…。
ごめんね…
ごめんねパパ…



私さえいなければ………