«海夏»
今日は、体育で女子はバスケだ。

ワクワクしているが、また発作を起こしたら…そう考えると嫌にやってきた…

とくに翔流になんて1番バレたくない存在。

病気って聞いたらきっと嫌われる。

嫌がられる。

そう考えると、あなたの隣にいる存在は私じゃなくもっと翔流と釣り合っている人だと思う。

だからこそ、翔流に嫌われたくないから。

もう二度と恋愛で失敗はしたくないから。








キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン

チャイムがなった。

バスケだ。

そしてなんと、今日は生憎の雨で、男女合同になってしまった。

どうしよ…

まぁ発作なんて起こらないでしょ!

ピピーーーーーっ!!!!

先生の笛の合図で試合開始。

私は、開始直後にボールをとってしまった。

しょうがない。

ボールをつきながら、スリーポイントの場所まで行った。

ボールをまっすぐ1点に集中して放つと、

たまたまのたまたまでそのシュートが運良くゴールに入ってしまった。

「はぁはぁっはァァ…」

疲れて息切れすごいけど楽しい。

ピピーーーーーっ!!!!

先生の笛で前半終了。

少しの休憩時間を貰えた。

「海夏ちゃんすごいね!」

「うんうん!」

「次も期待してるよー」

などの同じチームからの声が聞こえた。

すごく嬉しい。

自分が期待されている。

少しは翔流に相応しくなったかな?なんて1人で考えていると

「大丈夫なの?そんなに走って、また発作が起きるかもよ…」

って心配している声の方を見ると、私の親友の美宇華だった。

美宇華は私の病気のことも知っているから。

心配してくれている。

「大丈夫だよ!ありがとう!私頑張るね!」

そう言って、紛らわした。

本当は少し苦しい。

だけどがまんするの。



ピピーーーーーっ!!!!
後半開始の合図

私は次々にシュートを決めって行った。

残りあと少し。もう持てそうにない…

苦しい。クラクラする。

「バタンっっ!」

私はコートで倒れてしまっていた。

上手く息ができない。

意識が朦朧としてきた。

あ、またこの感覚。

誰かに暗闇に連れていかれるような感覚。

奥深くまで。ずっと真っ暗が続いてる場所。

はやく、元に戻りたい。

帰りたいよ。