私、朝野咲良(あさのさくら)は、桜の高校の校門の前で片寄奏多(かたよせかなた)を待っていた。

今日は1年間片思いした先輩に思いを告げるんだ。




先輩と出会ったのは、私が2年生の時だった
放課後の教室で1人本を読んでるといきなり教室の扉が開いて、ふと見ると先輩だった、
｢もう下校時間過ぎてるけど大丈夫か？｣

それが先輩が私にかけてくれた言葉だった。
先輩は、下校時間が過ぎたあとに教室に人が残ってないか見回っていたらしい。

私はそんな時間だったのかと思い、時計を見ると
既に下校時間から15分経っていた。

｢すみません。時間教えてくれてありがとうございます。｣

｢大丈夫！それより電車の時間とか大丈夫？｣

｢電車無いですね…はぁ1人で待ってます。｣

｢同じ方面なら一緒に待ってるよ？｣


｢大丈夫ですよ。慣れてますし｣

｢流石に女の子1人じゃ危ないからね？｣


｢分かりました。｣

｢じゃ俺荷物取ってくるから待ってて｣