翌日の放課後―――

「あんたからあたしらを呼ぶなんて珍しいじゃん?」

「くだらないことなら、ぶっ飛ばすよ?」

作戦が決行される。

「え・・・えっと・・・
放課後の勉強会なんだけど、真君に誘われたから参加することになったの」

「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」

一斉に信じられないといった表情になった。

「なんで、あたしらが・・・!?」

「つか、この前あたしらが言ったこと覚えてないの!?」

「大体、真があんたみたいなブスに誘うわけ―――」

「誘ったよ、この僕が」

といきなり声がした。

「!!
ま、真・・・!?」

「早見・・・君!?」

「みんなで寄ってたかって何をしているの?
まさか、女の子一人はめようとしていたんじゃないよね?」

徐々に真君の瞳が獲物を捕らえる猛獣の目に変わる。

「そ、そんなわけないじゃない・・・!!
そんなことより、どうして真がここに・・・?」

「たまたま通りかかったんだよ~?
そしたら、この教室でなっちゃんに『ブス』呼ばわりとかしているのが聞こえたから・・・」

なんてウソ。

本当は、この空き教室のドアの前で盗み聞きしていたのだ。

「で?キミだよね?
なっちゃんに『ブス』呼ばわりしていたのは?東条さん」

「わ、わたしは・・・」

「確かに、東条さんは、可愛いと思うよ?」

「え・・・♡」

「顔だけはね。
中身なんか、妬み真っ黒で東条さんのほうがよっぽど『ブス』だよね」

口調は穏やかだが、言い方といい、声色といいなんだか冷たい。

「あと、放課後の勉強会はなしにしようか。
僕は、一人の子をハメ子にしてまでやりたくないから」

とまわりのみんなに告げる。

「じゃあ、行こうか」

と、真君は私の手をつかんで教室をでようとする。