「また、遅いわね。
毎日毎日、どこ行ってるのよ?」

「!!
な、なんだ・・・朱莉かぁ・・・」

事務所に戻ると、朱莉が仁王立ちで事務所に立っている。

「大のお店だよ。
あいつ、喫茶店で働いてんだよ」

「はぁ!?
そんなことしたら、どうなるか―――」

「わかんねぇわけないだろ、あいつもそこまでバカじゃねぇんだ。
でも、俺は反対しないよ」

「はぁ!?」

朱莉が訳の分からないといった表情。

そりゃそうだ。

我々の組織は極秘で動いている組織。

国も頭があがらない組織なんだ。

そんな組織がノコノコと一般人に紛れて働いているとなると、色々やばい・・・。

だが―――

「あそこは、夕方~閉店まではお客が入らないんだ。
俺としては、色々と都合がいいし、落ち着くんだ」

「まったく・・・
まぁ、いいわ。私、もう帰るから。じゃあね」

「あぁ。お疲れ」

はぁ~・・・これからしんどい仕事が・・・

だけど、明日にはまたなっちゃんに会える!!

そう思うだけで、仕事がはかどり始まって1時間も経たないうちに終わった。

そして、家に帰り、風呂に入ってぐっすり眠りに入った。