「私、昔組織の中で真君のことが好きな子らをみんなつぶしてんで?」

「うん。それで?」

「もしかしたら、あんたにもつぶしに行くかもしれへんで?
そうなったら死にたい気持ちになるで」

「それでも私は真君を諦めない。
私にとっては真君と離れることが一番つらいから」

それぐらい真君のことが好き。

「私、私・・・私が一番アホやんか!!」

「アホだね。
でも、そんなの別にいいんじゃないかな?
素直でまっすぐなだけだもん、神沢さんって」

「な、なつきちゃん・・・」

そして、神沢さんは涙を拭い、二カッと笑う。

「あんた、ほんまアホやな。
けど、朱莉さんが何で真とあんたが付き合ってることに承諾したのかあんたら見ててわかるわ。
ごめんやで、なつきちゃん」

「そ、そんなことないよ・・・!
神沢さんこそ―――」

「そういう『神沢さん』っていうのやめや。
涙とややこしいわ。
奈穂でええよ」

と、友達になれたんだ・・・!!

「うん!!」

「じゃあ、行こうか。なっちゃん」

「うん。
奈穂ちゃんたちもどうかな?
これから大さんのお店でシフォンケーキを食べるの。
一緒に食べよう」

「せやな。
じゃあ、真のおごりで♥」

「ん?何か言った?奈穂ちゃん?」

「真の奢り―――」

「ん?何か言った?」

「あんた、絶対聞こえとるやろ!!」

私たちは、そのまま大さんのお店に向かって歩いていた。