「!!」

真君が見事にその子の口にめがけて出席簿を投げたようだ。

「キミたち、寄ってたかって、僕の大切な人に何してんの?」

一歩一歩彼女らに近づく真君の足は、今にも彼女らを殴りかかりそうな勢いだ。

「い・・・いや・・・それは・・・その・・・」

「はっきりしないね。
じゃあ、こっちも言わせてもらうけどさ。
何とか言ったらどうなんだよ?」

「!!」

さっきまで強気だった彼女たちの目から涙が溜めている。

「な、なんで・・・?
何でよりにもよってこんな根暗なの!?」

「あ?根暗!?
よく言うよ。じゃあ、俺がお前らの誰かと付き合ったら誰も文句は言わねぇのか?」

「っ!!」

「こいつを根暗って言うけど、お前らはどうなんだよ。
俺からしてみれば、お前らが一番根暗どころか陰気くせぇよ」

「・・・」

「言っとくけど、俺はこいつを離れる気なんて、全くねぇから」

とびしっと言われ、彼女たちは諦めたように走って行った。

「大丈夫か?なつき」

「う、うん!!」

「そっか。よかった・・・」

と安堵の息をもらしたまま抱きしめてくれた。

やっぱり、真君の温もりが感じるし、何よりも落ち着く・・・