連れられたのは、一番空いていた河原。

ここでは、大きくてキレイに見える。

「よかった。空いていて」

「うん!!
何か、今日が一番きれいに見える・・・!!」

私は素直にそうつぶやく。

私は両親をなくしてから、一人で家で花火をみていたから、花火ってこんなものなんだって思っていた。

だけど、今日は大好きな人と一緒に花火がみている。

それだけでさらに輝きが増していく。

「真君は、今までお祭りとか行ってたの?」

「うん。事務所の人達と行くことが定番かな?
今年は、家族の人とみるっていう人が多かったから、朱莉と大と一緒になったんだけど。
なっちゃんは?」

「私は毎年、家でみているだけかな?
別に一緒にお祭りにいく人なんていなかったし」

「そうなんだ」

なんか、しんみりさせちゃぅた・・・?

ふと不安になっていると・・・

「でも、なっちゃんの初めてのお祭りの相手が僕でよかったな」

「え・・・?」

「だって、なっちゃんとみていると、今までよりも花火がキレイに見えるもん。
なっちゃんも、そう思っているんでしょ?
さっき花火をみて、本当に感動していたみたいだったもん」

にこっと笑って答える。

やっぱり、真君はちゃんと私のことを見てくれているんだと改めて実感する。