「うわぁ~・・・いっぱいあるね~♪」

「うん・・・!!」

中に入ると、たくさんの屋台が並んでいた。

すると―――

「おーーい!!真!!なつき!!」

と私たちを呼ぶ声がした。

実来と榊原君だ!!

2人、屋台をしている。

真君は朱莉さんと大さんに少し席を外すよう指示した。

そりゃあ、そうだよね・・・

真君の正体を他の人達に言うことができないんだから。

2人が他の屋台へ見に行ったところで、私と真君は実来と榊原君のもとへ寄る。

「なにしてんの?」

「ベビーカステラを売ってんだぜ」

「へぇ~」

「二人も買ってく?」

「真君、食べる?」

「うん!!なっちゃんは?」

「食べよっかな・・・?
じゃあ、そこの1000円のを1つくださいな」

「まいど!!」

と、私が財布を取りだすと、なぜか真君に止められた。

そして、すっと自分の財布から支払った。

「え?」

「はい、なっちゃん★」

「でも・・・」

またしても、おごってもらった・・・

「いいじゃん!これくらい」

と明るくいうが、余計に罪悪感がつのっていく。

「ん~・・・仕方がないなぁ・・・
じゃあ、ジュースおごってよ。これで、おあいこでしょ?」

「あ、うん!!もちろん!!」

すると、どこからかヒューヒューと声が・・・

「いやぁ~、今日もお二人さんお熱いですね~」

み、実来・・・!!

「・・・(怒)」

からかわれていることが気に食わないのか一瞬だけ眉間にしわを寄せる。

「こっちまで溶けちゃいそう・・・!!」

さ、榊原君・・・!!

「・・・(怒怒)