私の額には冷や汗が流れていた。

「あれ?
もしかして、楢井?だったりする?」

「・・・」

私は、その場で固まるしかできなかった。

「真、お前・・・
まさか、学校で本性を出してるんじゃねぇだろうな・・・?」

「まさか~。
そんなわけないじゃん!!
多分、びっくりして固まってるだけだよ~」

ねぇ~!!と同意を求められるが頷けない。

「あれ?」

「あれ?じゃねぇよ!!
固まってるじゃねぇか!!」

「きゃっ!!
大(まさる)君こ~わ~い~」

というと、早見君は私の席に歩み寄り、私の前に座る。

「やっぱり、楢井だよね?
そんなに緊張しなくてもいいよ」

「うん・・・
でも、何で早見君がここに?」

「実はね、僕、あそこにいる巨人(大のこと)と話があって捜して、ここにきたんだ。
楢井は?」

「わ、私は・・・」

「?」

早見君は私の顔を穏やかに見つめながら私の返事を待っている。

「し、し、・・・」

「し?」

「この子、俺の作るシフォンケーキを食べに毎日通ってるんだ」

と、マスターが答えてくれた。

「毎日!?
シフォンケーキ、好きなの?」

「うん・・・
小さい時からずっと」

「そうなんだ~・・・
それは、ぜひ僕も食べてみたいなぁ・・・」

「!!はぁ!?」

「いいじゃん。
あ、僕のも追加で。
会計は、楢井の分と合わせて大がおごってね☆」

「はぁ!?
ふざけんな、この腹黒!!」

「ん?何か言った?」

「腹黒って言ったんだよ!!」

「腹黒~?
やだな、僕は腹黒じゃないよ~
腹黒っていうのは~、大みたいに顔に似合わない口と性格の悪さのことをいうのだよ~?
しかも、思ってもいないことを口に出すこともいうしね☆
ちなみに、僕は思ったことを何でも口にするし、口も性格も悪くない純粋な人は腹黒なんかいわないんだよ、わかる?バカな大くん?」

「お前がいうな!!」

と痴話げんかを始めてしまった二人。

ここは、止めなければ・・・!!