放課後―――

私は、いつものように喫茶店に寄って、シフォンケーキと紅茶を注文し、待っていると、突然ドアのベルがなった。

中に入ってくたのは、

「え・・・嘘・・・」

見間違えるはずがない。

長身で、目が二重でその瞳が漆黒。
肌も白く綺麗で鼻筋が通っていて、私の通う学校と同じ男子の制服。

「あ、ここにいた!!
もう、なにやってるのさ!ずっと探していたんだよ!?」

まるで声の低い女の子のような声で、マスターを叱責する彼は、間違いなく同じクラスの早見君。

「な、なんで・・・?」

こんな所には、知り合いの人は来ないと思っていたのに・・・!!

「すまないな、真」

「何作ってるの?」

「シフォンケーキだよ。
お客様から注文されてるんだ」

「お客様!?
ここに、お客なんて一人も―――」

パチッと目が合った。

一瞬にして時が止まる。