教室へ戻ると、早速、紗世に報告した。


「渡してきたよ、例のやつ」


「うそッ!」


「うそじゃないよ、読むかはわからないけれど、間違いなく手渡したから…」


「すごい!ちび、魔法でも使ったの?」


「別に…ドジはしちゃったけど、でもね、今回だけだって、もう受けないって言ってた」


「そっか…でも、あたしじゃまず無理だもんね、これで、もしあの人達に会って聞かれてももちゃんと言える、渡しましたって、ありがとう!ちび」


「ううん、そんな…」


!!?ん?


「奈々瀬さん、ちょっといい?」


「…?…う、うん…」


その時、雅さんが、私と紗世の間に入ってきた。


「真谷さんごめんね…」


そう言うと雅さんは廊下へと向かった

私も向かおうとして、席を立った

「なに?あれ?なんでちびが?…まさか、例の見られたの?…それに目が真っ赤だった…」

「見られというか…私が見ちゃったほうだけど…ちょっといってくる」


「見ちゃった?」



私は雅さんの後を追いかけて、廊下へ向かった。