スローモーションのように、私の体は川の中へと落ちて行った。

その上からちびが追うように落ちて来る。

途中でちびが私の胸の中にスッポリ収まると、そのままふたりは冷たい川の中へ…


ズボッ…と

もうだめだね…助けられなくてごめんね、犬のちびちゃん…


「アンッ!アンッ!」


ちびちゃん?…あれ?…
冷たくない、というか、なぜか暖かい

ゆっくり、目を開けると
見慣れない顔が上のほうに見えて、にっこり笑って私を見ている感じがした。

すごく優しい瞳で、マユは細くスラッと、鼻筋もビューってしていて…

とにかく、カッコいいの…


私、夢でも見ているのかな…

上着が私にかけられた…

シャツの第三ボタンのところに、見覚えのあるハートが、うっすらと見える。

ピンクのハートの欠片が…


小梅は安心感と疲労で意識を失ってしまっていた。


「おい!ちび?…いや、奈々瀬!…大丈夫か?…おい!奈々瀬!」


「アンッ!」