突きつけるような桜庭准教授の言葉に思わずおし黙ると、彼はクツリと笑う。


「(……そうか。)」


私は自分がこの地を選んだ理由を、目の前にいる先生という存在で、その根拠が揺らがぬように強がり続けていたのかもしれない。

確かに彼は、この大学を選ぶに至ったきっかけだったかもしれない。

だけど私の彼に対する執着は、端から見れば異質に映るものだったのだろう。


「(……なんて事をしてしまったんだろう。)」


今更自分の行いを恥じた所で、すでに取り返しのつかない所まで来てしまっていた。


「君のこの行為は、俺の受け取り方一つで有罪にも無罪にもなり得るんだ」


「っ、」