『桜庭准教授的”好き”の理論《short ver.》』

そして粉末状になったコーヒー豆を、あらかじめコーヒーメーカーにセットしておいたペーパーフィルターの中に入れ、出来るだけ平らになるように慣らす。

夏場はサラサラと飲みたいからと、アイスコーヒーと言うだろう事は始めから計算済みだ。

その為、水の量は半落としにしてある。

それから、ようやくコーヒーメーカーのスイッチをオンにする。

この工程を毎回のように繰り返す内に、どうやら私の方が彼よりも上手にコーヒーを淹れられる様になってしまったらしい。

だからだろうか。

それ以来、彼はコーヒーが飲みたくなると、迷惑この上ないことにも私を指名する様になったのである。

ポコポコと音を立て始めてから数分放置したら、ようやくコーヒ自体は完成。