誕生日から1週間。

璃音がくれたヘアピンはまだ付けてない。

てか付けられない。

付け方がわからないのもあるけど、昔のこと思い出すし。

怖いとかじゃない。

ただただ面倒。

あんなことに巻き込まれるの。

「瑠愛何で付けてくれないの?」

毎日のように聞いた璃音の言葉。

「面倒事はごめんだわ」

毎回同じ繰り返し。

でもさすがに今日はしびれを切らしたのか、朝私の家まで璃音がやってきた。

「瑠愛髪の毛やってやる」

は?と声が漏れそうになったが、隣に座って私の髪の毛をいじり始めた。

璃音はこういうの得意だったね、忘れてた。