「瑠愛ー?入るよー?」

ドアの外から璃音の声。

それと同時に開かれるドア。

「璃音来たの」

「見た方が早いと思って」

ほんと意味分かんないんだよな、このメール。

知らないメアドからだし。

“私の方がお似合い”

この一言だけ。

これどっちのことだろ?

璃音?実くん?

「ん?このメアド知ってる」

璃音の顔が一気に引き攣る。

「これ俺の見間違いじゃなかったら、小奈恵のメアド…」

なら璃音か。

「何で私のメアド知ってるの」

「そこは俺も分かんない」

はぁ?

直接璃音に行かず、私に言う。

毎回のパターンだな。

「瑠愛俺今日ここ泊まる」

「は?」

「心配」

いやただのメールだよ?

何でそーなったの?

「いや、大丈夫…」

「泊まるから」

いつになく真面目。

いつになく強気。

「…分かった…」

そんな璃音に折れた私。