Blue Moon

「…ソイラテ…」

驚いた顔で俺を見る瑠愛。

普段ポーカーフェイスな瑠愛だから、その驚いた顔を見れて嬉しい。

「いつも瑠愛ちゃん、それ頼んでるの?」

「え、うん。これしか頼まない」

何飲むのか、聞いたのは実にだけ。

実も驚いてる。



中学のとき、瑠愛とはよく喫茶店で勉強したんだ。

それでいつも「1口ちょーだい」って飲んでたんだけど、毎回同じ味だったんだよね。

カフェラテかと思って俺も頼んだら違った。

だから瑠愛がソイラテ頼んでるって分かったんだ。



「何年も同じもの見てたら覚えるよ。それに瑠愛のだもん」

「璃音の瑠愛ちゃんへの愛がすごい伝わる」

瑠愛の隣に座る実がボソッと呟いた。

「璃音はミルクティーだもんね」

目の前の瑠愛が放った言葉に今度は俺が驚いた。

「瑠愛ちゃんよく分かったね」

「ほんと。よく分かったね瑠愛」

「2人とも学校で同じものしか飲んでるの見たことない」

俺はミルクティー、実がストレートティー。

結構周り見てるんだよね、瑠愛。

「璃音に関しては甘党だしね」

そう。

めっちゃ甘党なんだよな、俺。

「実くんは甘いの食べれないわけじゃないだろうけど、得意ではなさそう」

これも当たり。

実は甘いの得意じゃない。

1ヶ月半でよくここまで分かるな。

すげーわ。