ザワザワ…

朝学活の始まる時間。
先生が例の転入生を連れて入ってきた。

「はい。みんな静かに。えー、今日からB組の仲間になる、倉山大輝くんだ。仲良くするように」

倉山大輝くんと言う彼は背が高く、いかにもスポーツが得意そうな感じだった。
周りを見ると女子たちの目が輝いている。

「倉山大輝です。みんなとは話し方違うかもしれないですけどよろしくお願いします」
「倉山は関西地方から来た。席だが、えーと…そこだ。神田の隣にいきなさい」
先生が指名したのは私の隣の席だった。

彼が歩いて行くのをクラスの女子は目線をずっと送っている。
「よろしくね!大輝くん。私、神田美鈴」
「よろしく。美鈴ちゃん」
大輝くんはニコッと微笑んでくれた。
大輝くんはすごく整った綺麗な顔をしていた。

少し話すと、周りの女子からの目が急に怖くなった気がした。
「俺、教科書とかここと違うと思うから見せてくれへん?」
大輝くんはニヤッとした笑顔で言ってきた。
「もちろん」
私もニコッとして返事をした。