肩を竦めて笑いかけられ、俺は苦笑しながら施設を後にしようと玄関ドアへと向きを変えた。

背後では元気のいい彼女の号令が聞こえ、それに送り出されるように足先を前へと進ませる。


自動ドアを抜けると梅雨晴れの空が輝いていた。

真っ青な空を見上げながら、それに透ける雲を見つめ、彼女が写真に収めたくなりそうな空色だと思った。



(こういうのを撮ったら何て言葉を付けるのかな)


自分なら見たまま『快晴』ってところだけどな。


空を見上げながら微笑む。

何だかやたらと気分が良くなり、車に向かう足取りさえも軽やかに変わった。