珈琲プリンスと苦い恋の始まり

「珈琲が冷めるよ」と言ってカップを指差し、俺はワザとその先の質問をさせなかった。

愛花は俺を窺うように見つめていたが、そのうち「まぁいいか」と諦めた。


両手でカップを持ち上げ飲み始める。
その姿が、一日でも多く見れることを望んでいる___。



(マリッジリングを此処にあった桜で作った、と言ったら驚くだろうな)


その表情を想像してニヤつく。

明日を信じてる今が多分一番幸せなんだ…と、苦い珈琲を飲み干しながら思った___。