急にしおらしく変わる。
俺は彼に目を向けて、何ですか?と身を乗り出し、全身でその願いを聞き止めようとした。


昇平さんは小さく微笑んだ。
そして、息を吸い込んで言葉に代えた___。


「僕と彼の分も、まなちゃんに愛を与えてやって欲しい。

僕達二人の娘を、どうかずっと可愛がってやってくれないか。

出来れば少しでもいいから彼女よりも長く生きて、そして、幸せだった…と言わせてやって欲しいよ…」


ラストは涙まじりだった。
俺はその言葉に頷き、今度こそ本当に、本心から願って誓った……。


「はい。絶対にそうします」


そうすることが、彼女の心をきっと明るく照らすことになる。

あの青い空に儚く浮かぶ白い月の様な彼女の、明るい日差しになろうと俺はこの時心に決めた。


「ありがとう。頼んだよ」


昇平さんのお礼はずっしりと重い。
だけど、その何倍もの愛を、俺はひしひしと感じた__。