「下北のハンドメイドN&Mね」

「友達とやってるから頭文字なんですよ」

「そうなんだ」

「はい……あっ、向こうで呼んでるのお友達じゃないんですか?」

海の方から大きな声で誰かを呼んでいるようだったので声を掛けると

「あっほんとだ。ありがとう」

「こちらこそ、ありがとうございました。助かりました」

「じゃ、また……あっそれと」

そう言って振り返って、こっちに来ると耳元で

「Tシャツ着替えた方が良いかも……じゃ」

恥ずかしそうに頬を掻きながら、なんでそんなこと言うのかと思ったら水で濡れて下着が透けていて、慌ててパーカーで前を覆った。

「……っ」

こんな姿で話していたのかと思うと、急に恥ずかしくなってきて、真っ赤になってるであろう顔を誰にも見られたくなくて、俯いて砂浜をジッと見ていた。

「渚?どしたの?」

美月の声がして顔を上げると、いつの間にか近くまで来ていたらしい。

全く気付かなかった。