「サボってないよ?」

「うん」

「ほんとだよ?」

「うん」

「怒ってる?」

「ふふっ怒ってないよ」

「ほんと?」

「うん。だけど、もうちょっと付き合ってね」

「……鬼」

「ん?」

「何もない」

「ふふっ」

そう分かってる。美月はいつだってそうだ。

私が甘えて言ってるかどうかはすぐ見抜かれる。絶対甘やかしてはくれないんだ。

だけど1回くらいいけるかなぁと思って果敢にチャレンジするも毎度見事に玉砕するのだ。

元々サボり癖のある私は、美月に上手く操縦されてる気がする。

何度か休憩を挟みながら袋いっぱい集まった頃には、既に8時を過ぎていて荷物を車に乗せた。

美月は少し離れた綺麗なトイレに向かい、私は砂を払う為に一番近くの手洗いで砂を流す事にした。