「ごめん……傷付けちゃったね」

「……え」

「僕ね?不安だったんだ」

「……」

そう言って切り出した彼が話し始めたんだけど。

その切なく今にも泣いてしまいそうな彼の表情が、何を言おうとしてるのか不安が私を襲う。

「渚が僕の事を好きなのか分からなくなってた。優先順位は2番だし、仕事に90以上かけてるのに、僕なんかどうでも良いんじゃないかって」

「……」

「何日も会えないのに・・・・会いたいって言ってくれない渚見てると、不安で不安でたまらなかったんだ。僕の事なんて好きじゃないんじゃないかって」

「……」

「渚の話いっぱい聞いてきて、合わせなきゃって思ってた。メールや電話の事も、映画の事も、お泊りの事も、合わせようって……だけど本当の僕は違うんだ」

「……」

「僕はメールも電話もずっとしてたいし、映画はよしとしても、一緒に眠りたいし、渚抱きしめて眠りたいって思ってる。もっともっと会いたかった……ずっと我慢してたんだ」

「……」

「それであの日あんな事言っちゃって……ごめん」

彼がそんな事思ってたなんて知らなかった。

本当に彼の事を見てなかったんだ。

……本当ダメだな。