あの日から電話を見ては彼を想い、何度彼のマンションまで行っただろう。

もう終わってるはずなのに、今さら未練がましくこんなとこまで来て何してるのだろう。

そんな日は決まって、眠れぬ夜をお酒の力を借りて眠っていた。

そして今日で終わろう。仕事に生きよう。

そう思って自分の気持ちに蓋をして鍵をかけて、何も考える暇もないほどに仕事しまくればいい。

そしたらいつか忘れられるはずだ……そう思っていた。

資材を仕入れて帰ると店には彼がいて、なんか美月に仕事しなくていいとか言われて、茫然とする中連れて来られたのは彼の部屋だった。

どうしよう……。

今さら何を話すと言うのか……。

せっかく蓋して鍵までかけたのに……。

彼に会っただけで、こんなにも簡単に感情が溢れ出てしまう。

自分でもどうしていいか分からなくなっていた。