「ねぇ、拓斗⁇」

聞き慣れた心地いい声が俺を現実に連れ戻す。

「……うん、別れよう。」

言ってしまった。

もう戻れない。

凛花の顔を見れない。

「ん、分かった。
今までありがとう、他の女の子と幸せになってね。」

凛花は鼻を啜ってから、話した。

「他の女の子、か……」

俺の眼中には凛花以外の女子は入ってこない。

それだけ、俺にとって凛花は大切で……って。

言葉にできたなら どんなに楽だろう。