それからずっと悩んでいた。

凛花に 余命1ヶ月であることを伝えるのか。

伝えないままに死んでいくのか。

この二択がなかなか選べなかったんだ。

最後には、何も言わず別れることを選んだ。

自分のエゴのために。

好きな女に弱いところを見せたくない、そんな俺の意地のために。

何も言わないまま、赤の他人に戻った後なら 俺が死んでも 凛花は悲しまないだろうから。

凛花の悲しむ顔、見たくないんだ。

凛花の泣き顔なんて、見たくないんだ。

だから……