「別れよう。」

思っていた言葉が聞こえた。
でも、これは俺の声じゃない。

顔を上げた。

凛花とバチーと目が合う。

「 "別れよう" でしょ⁇
分かってるよ、拓斗の言いたいこと。」

凛花の唇は酷く震えていた。
その震えを止めてあげることができたなら良かったのに。

"ごめん"

たったの3文字。

たったの3文字なのに、言えない。

たったの3文字が言えない代わりに、俺は神を怨んだ。