「………俺は自分のやりたいようにやらせてもらうから。」
そしてまた私の手を握り歩き出す中川くん。
…………やりたいようにやる。
それは私にはできないことだった。
周りの目ばかり気にして自分を押し殺して。
正反対の彼が、どうして私に構うのか。
それが不思議でたまらない。
それに、中川くんは女嫌いなんでしょ?
「………どうして?」
気づけば思ってることを口にしていた。
「どうして、中川くんは……女の人が好きじゃないのに、私に構うの………?」
そんな私の問いかけに中川くんは即答した。
「磯村さんだけは特別。」
優しい眼差しを向ける中川くんに、また私の胸は高鳴り始める。