ぼんやりとする視界の中。


心配する中川くんに甘えたくなり、抱きついてしまう。


夢だから………いいよね。


隅の方にいる私の存在に気づいてくれた中川くんは、夢の中でさえ私が怖がってる時に駆けつけてくれた。


また、気づいてくれた。


ひとりぼっちで泣きそうになっている、私のことを。


ふいに顔を上げて笑うと、中川くんの顔がゆっくり近づいてきて唇が重ねられる。


…………なんだろう。


頭の中がふわふわして何も考えられなくなる。


夢の中の中川くんはいつもよりさらに甘い。


頭がぼーっとするけれど。
心の中はあたたかかった。


次第に朦朧とする意識の中、私は彼にお願いした。


『行かないで』と…………。