「………夢じゃねぇよ。」


俺は小さく呟いた後、磯村さんを抱きかかえた。


「ほら、保健室行くぞ。しっかり掴まってろ。」


このまま一緒にいるのは危ないと思い、保健室へと急ぐ。


保健室の中に入ると先生がいたから安心する俺。


もしいなかったら本当にやばかったから。


「あら、すごい熱ね。」


俺が運んできたことに驚いたのだろう。
保健室の先生は俺と磯村さんを交互に見た。


「少しの間、磯村さんを寝かせてもらえますか?」


「大丈夫よ、少し冷やしましょうか……
ベッドに寝かせてくれる?」


「はい。」


先生に言われた通り、ベッドの上に磯村さんを寝かせ、布団をかぶせる。


さっきよりも意識が朦朧としており、また眠ってしまいそうだった。