早く俺に溺れろよ〜好きと言われたその日から〜




その日の放課後は中々磯村さんが来なかった。


最近は来るのも早かったから余計に気になった俺は教室に行くことにした。


教室に行くと、磯村さんは腕を枕にして机に突っ伏していた。


「………磯村さん?」


俺の呼びかけに少しだけ体を動かす磯村さんは、どうやら寝ていたようだ。


そしてゆっくりと上体を起こす。


「ごめん、寝てたよな。」


少なくとも起こしてしまったのは確かだから謝る。


「……ううん、大丈夫だよ。」


寝起きだからなのか、まだ少しぼーっとして焦点が合っていないし何故か窓の外に視線を向けた。


そして磯村さんは起き上がった瞬間………


俺の方へと倒れてきて、慌てて受け止める。


「……危ねぇ……磯村さん、どうした……」


そう言いかけたところで、磯村さんの息が少し乱れていることに気づいた。