次に彼女の姿を見つけた時はもう視線が交わるどころか、俺の存在にさえ気づいていなかったと思う。
ずっと俯いて、何かに怯えるようにしてビクビクして隅にいて。
だけどある日。
中庭のベンチに座って友達2人でご飯を食べている彼女を偶然見かけた。
その時の彼女は…………笑っていた。
ふわりと笑うその姿にドキッとして、見惚れてしまう自分がいた。
なんだ、仲良くなった相手にはこんな風に笑うのかと。
それから見かける度、目で追ってしまう自分がいた。
何故か、気になる。
だけど彼女とは何一つ関わりはないまま1年が過ぎた。
そして2年になった時、俺にチャンスが舞い降りてきた。



