「なーんてね、ここに来た時からあんたの存在に気づいてたよ。


………金曜は俺が悪かったよ、寝起きは基本不機嫌なんだ。だから気にせず生徒会室においで。」


そう言って少しだけ微笑み、スタスタと歩き出した上沢くんの心理はわからない。


しばらくの間、ぽかんと固まる私と天音ちゃん。


その後2人同時に視線を合わせる。


「………い、今大和、謝ったよね………?」


どうやら珍しいようで、天音ちゃんも驚いている。


「杏奈ちゃん、いけるよこれ。
あいつ、杏奈ちゃんのこと嫌いじゃないみたい。」


………その言葉に少しだけ安心する私は単純だ。


だけど………


本当にさっきの眼差しが優しく、安心している自分がいるのは確かで。


「だか今日こそ来なよ?
杏奈ちゃんは私と同じ書記担当だから!」


嬉しそうに笑う天音ちゃん。


私は素直に頷いた。