「杏奈ちゃーん?」


………そう、私に話しかけた人は天音ちゃんだった。


「あ、ど、どうしたの……?」
「どうしたって、一緒にお昼食べたいなーと思って!」


また子供っぽく笑う天音ちゃんはギャップがあって可愛かった。


本当にお姫様のような人。


だからこそ一緒に食べるのは悪いと思い、断ろうとしたら……


「場所は中庭でいいよね?」


勝手に私のお弁当を持ち、私の腕を引いて教室を出る天音ちゃん。


い、意外と強引なんだ………。


結局断われず、中庭にあるベンチに座る。