「………あ、あの……!」
「杏奈ちゃん?どうしたの?」
「わ、私用事を思い出したので………か、帰ります……!!」
そんな状況に耐えられなくて、弱い私は結局逃げることを選んだ。
みんなが呼び止めるよりも先に生徒会室を出て走り出す。
…………うん、わかってる。
誰もが受け入れてくれないことぐらい。
それなら認めてもらえるまで頑張ればいいのに…………
そんなこと、私にはできなかった。
あの完璧な空間に1人だけ違う異物が混じる勇気さえもなくなってしまった。
いつも変わりたいと思うくせに………
こんなんじゃ矛盾ばかりで本物の意気地なしだ。