少ししてようやく目を覚ました上沢くん。
この人はイケメンだけど、サボリ魔でも有名。
授業もほとんど寝ており、かっこいい一匹眠り狼、とさえ言われている。
眠たそうな目は私を見るなり、きつく睨む目つきへと変わった。
え………?
「あんたのせいで俺の睡眠邪魔されたんだけど。」
不機嫌な声が私の耳への届く。
「大和、最低!
こんな可愛い杏奈ちゃんにそんなひどいこと言うなんて!」
「………は?
全然可愛くないじゃん。ただのブス。
こんな女が好きなんだ、光輝って。」
………ブス。
わかってるけど、そんな睨まれながら言われると胸が痛む。
ふいっと私から顔をそらし、今度は中川くんを見る上沢くん。
すると今度は中川くんまで、座っている上沢くんを見下ろすように睨んだ。
「磯村さんのこと何も知らないくせにそんなこと言うんじゃねぇよ。」
な、なんか…………
良くない空気が2人から流れる。



