大きく深呼吸して、ドアを開ける。
そして中に入ると、中川くんが私を見た。
「やっときた。」
そう言って笑う中川くんを見ただけで胸が高鳴った。
「ごめんね、遅くなって……。」
「別にいいよ。」
中川くんはそう言って立ち上がり、私の方へとやってきた。
私も中川くんの方へと歩み寄る。
彼の前で私は止まった。
…………今日もだけど、中川くんを待たせてばっかだなって自分でも思う。
こんな私でもいいのかなって。
だけどもう、後悔はしたくないから………。
「あのね、中川くん……!」
「なに?」
心臓がうるさいくらい暴れ出して顔もあつくなる。
もしかしたら、もう今の私を見ただけで中川くんにばれたかも知れない。



