ーー「失礼しました。」
私は先生の話が終わるなり、急いで生徒会室へと向かう。
帰ってたらどうしよう、なんて少し不安もあったけど中川くんが帰るわけない。
だけど待たせているのは確かで、私は走る。
………1年や2年の初めはずっと下を向いて歩いていた。
だけど今は前を向いていて…………
ふと、足を止める。
そこは、2年の最初の方に中川くんとぶつかった場所だった。
その時はまだ苦手意識がある頃だったけど、完璧な中川くんはこんな私の名前を覚えてくれてたんだっけ。
それが嬉しくて泣きそうになっていたのを覚えている。



