その時、さっきの金城くんと天音ちゃんの言葉をもう一度思い出す。


「……中川くん、その……私って何かしたかな……?」


「は?」


思い切って聞いてみると、中川くんは驚いた顔をしていた。


「なんか、いつもと違うから………」


そしたら中川くんはため息をつき、私をそっと抱き寄せた。


「まあそうだな。
磯村さんが男に対して無知すぎて呆れてる。


どんな男にもこんな感じなのか?」


男の人に対して無知……?


生徒会の人たちは全員難しいことを言うんだな、と思った。


ただ1つ言えるのは……


「こんなこと、できるのは………な、中川くんだけだもん……。」


中川くんだけしかこんなことできないよ。