ーー「磯村さん、終わったよ。」 誰かが私の名前を呼び、眠りが浅かった私はすぐ目が覚めた。 その声の主が中川くんであることはすぐにわかった。 「磯村さん、寝てたのか?」 まだ頭がぼーっとする中、少し霞んだ視界に中川くんが映る。 「いつのまにか寝てたみたい……」 ゆっくり中川くんを見上げながらそう言うと、中川くんは私から目をそらし隣に座った。 「あれ、帰らないの………?」 まさか隣に座られるとは思ってなくて、そう中川くんに聞いた。