声がした方に視線を向けるとそこには…… この間椎野くんと一緒にいた、彼の初恋の女の人だった。 なぜ高校にいるのかわからず、私と天音ちゃんはただ見つめることしかできない。 「なんで優(ゆう)がここにいるんだ?」 ………優。 椎野くんはさらっと女の人を名前で呼んだ。 その時天音ちゃんの顔は一瞬苦しそうに歪む。 「やっぱりお礼が言いたくて……!」 「もう兄貴からもしつこいくらい聞いてるからいいって。」 そんな2人の会話を聞くけど、天音ちゃんは今すぐにでも逃げ出したいように見える。