早く俺に溺れろよ〜好きと言われたその日から〜

その声に反応し、私たちはほぼ同時に振り向くとそこには………


「なんで帰ろうとしてるんだ？」


走ってきて、少し息が上がっていた椎野くんがいた。


「とう、や………」
「俺は、ちゃんと天音と話がしたい。」


真っ直ぐ天音ちゃんを見つめる椎野くんは真剣だった。


そんな椎野くんに観念したのか、
「わかった。」と答える天音ちゃん。


そして私を見て
「ごめんね、私が無理矢理連れてきたのに……」と言いかけてる途中で


「あ、冬夜見つけた……！」


と今度は椎野くんのことを呼ぶ声が耳に届いてきた。