早く俺に溺れろよ〜好きと言われたその日から〜




そして私たちは下履に履き替え、門へと向かい歩き出す。


その時も私の心の中はモヤモヤしていて、てもどうすればいいのかもわからなかった。


ふと天音ちゃんを見ると、寂しげな瞳で遠い向こう側を見つめていた。


このままずるずると終わってしまうの?


…………それは、嫌だ。


そう思い意を決して私は天音ちゃん、と呼んだ。


だけどちょうどその時、私の声に被さるようにして


「………天音!」
という大きな声が聞こえてきた。


私たちはピタリと進む足を止める。