「でももう、いいの。
冬夜の初恋相手が自分を選ぼうとしてくれてるんだよ?
そっち行っても仕方ないよね………。」
天音ちゃんの声はだんだんと小さくなり、少しでも油断したら泣いてしまいそうな、そんな状態だった。
そんなこと、ないよ。
私に椎野くんの気持ちがわかるわけじゃないけど………
「もし、椎野くんの初恋の相手が椎野くんを好きだったとしても
今椎野くんの彼女は天音ちゃんなんだよ?
なのに中途半端に終わらせるわけない。
だから距離をおこうって言ったのもきっと、別れるためじゃないと思うんだ。」
椎野くんの性格からして、こんなひどい終わらせ方をする人じゃないと思うから。



